セルフメンテナンス攻略ガイド

dldでは、薪ストーブのオーナー様に向けて様々なイベントや講習会を実施してきました。
ここでは、過去のメンテナンス講習会でお教えした自分でもできるセルフメンテナンスのガイドの一部を紹介します。

煙突掃除編

煙突掃除の心得

煙突掃除は屋根上での作業となるため、安全の確保が第一です。雨や雪で屋根が滑りやすくなっていたり、強風が心配されるときなど、天候の悪い日は避けましょう。屋根上が高温になり熱中症の危険のある盛夏は避けた方が無難です。ヘルメット、命綱などを身に付け、手袋や滑りにくいソールの靴を履きましょう。万が一に備え、家族の在宅時や、近隣の方に声をかけてから行うようにしましょう。

道具の準備

煙突ブラシ 煙突の内部のススやタールを落とすための専用ブラシです。煙突の内径に合ったサイズ、6インチ(152mm)または8インチ(203mm)のもの。
ブラシロッド 煙突ブラシに装着するロッド。1本の長さは920mmで、煙突の長さに合わせて延長できる仕組みになっています。
ワイヤーブラシ 煙突トップにこびりついたススを落とします。
ビニール袋 煙突などに付いているススを入れます。大きめのもの。
プラスドライバー 煙突接合部のバンドなど、ビスを外すのに必要です。
養生テープ 室内の煙突の繋ぎ目に目張りをし、ブラシが通った際にススが室内に吹き出すのを防ぎます。
ヘルメット 安全確保のため、必ずかぶりましょう。
脚立、梯子 梯子は滑りやすい屋根上の足場として、屋根に固定します。
シリコン系コーキング 屋根上のフラッシングとの繋ぎ目を塞ぐためのコーキング。風雨で劣化していればコーキングを打ち直します。
ロープ 安全のため、梯子や脚立を固定するために使います。
養生用シート ブルーシート、古毛布、新聞紙など室内の汚れを防ぐためのもの。ストーブ周りを広めに養生しましょう。
手袋 汚れ防止・安全のために装着しましょう。

養生・安全確保

ブラシを通す前の準備〜室内編〜

部屋の養生をします。作業で灰が舞ったりススが飛び散るのを防ぐため、ブルーシート、古毛布、古シーツ、新聞紙等でストーブ周りを広めに養生します。ダンパーのあるストーブはあらかじめダンパーを開けておきます。こうしておくと、ブラシを通した時に落ちてきたススやタールが本体の中に落ちます。ストーブのドア、吸気口は全て閉めます。ストーブと煙突の接合部、煙突のつなぎ目などをテープで目張りします。細かい隙間からもススが吹き出すのを防ぐためです。

ブラシを通す前の準備〜屋外編〜

ヘルメット、手袋、滑りにくいソールの靴を身に付け、動きやすい服装をしてください。梯子などを固定し、足場の確保します。屋根の雪止め、雨樋の金具にロープを縛り付けて固定するなど、絶対に梯子が倒れないようにして下さい。

いざ、煙突掃除!

煙突プランには大きく分けて3つのパターンがあります。 基本的な作業は一緒ですが、それぞれの方法がありますので、露出煙突・壁抜き露出煙突・煙導囲いの3つにカテゴリを分けてご案内します。

パターン1 露出煙突

まず、ブラシを入れるため煙突トップもしくは煙突のつなぎ目の部分を外します。煙突トップを外すのが一番簡単ですが、手が届かない場合は作業しやすい(膝上〜上半身の高さの間)の位置の接合部で外します。

煙突トップを外す

まず煙突トップにビニール袋を被せ、ススが落ちないようにしておきます。トップはツイストロック方式で固定されているので、時計の反対方向に回すと外れます。安全な場所まで下ろし、防鳥網を上にずらして外したら、マイナスドライバーなどでこびりついたススを大まかに落としてからワイヤーブラシで仕上げます。

煙突の接合部で外す

まず、ブラシを入れやすい高さの接合部に固定されているロッキングバンドを外します。ロッキングバンドの止め方は二種類あり、クリップ式はフックにクリップが掛かっているので起こすと外れます。ボルト式はプラスドライバーで外せます。ナットを無くさないよう注意して下さい。こちらもツイストロック方式なので、反時計方向に回すと外れます。外した部分が長いと重量があるため、バランスを崩すと危険です。注意して安全な場所まで移動してください。煙突トップは上記の方法で外し、トップ、煙突それぞれのススを取り除いておきます。

煙突掃除

ブラシを往復させながら、ゆっくりと煙突に通していきます。ブラシの手応えが軽くなったら、ブラシロッドを1本ずつ延長していきます。ススやクレオソートが詰まってブラシが通らない場合は先端のブラシを外し、ロッドの先で突き落とすか、専用のツールを使い、ある程度落としておきます。(固くタールがこびり付いていてブラシを通すのが難しい場合は、煙突を分解して手でこそげ落とす事になります。)

ブラシがストーブまで達したかどうか確かめるには、一度室内に戻りストーブのドアを開け、手で触って確認します。ブラシの毛先が確認できたら再び屋根に登り、上から一本ずつロッドを回収します。

屋根上作業完了

煙突トップ、煙突、ビスなどの金具を元どおりに戻します。コーキングの点検をします。煙突と屋根とのつなぎ目を指でこすってみて剥がれやひび割れがあった場合には、カッターで古いコーキングを切り取り、新しくコーキング材を塗り直します。

パターン2 壁抜き露出煙突

開口部の屋外側にある、90°断熱煙突下にあるフタを反時計方向に回し、ススが飛び散らないよう注意してゆっくりと外します。ビニール袋をテープなどで取り付け、落ちてきたススを受けるための準備をします。屋根上の作業は露出煙突と同様です。90°断熱煙突までブラシが達したらロッドを1本ずつ回収し、すべてを元どおりに戻します。ビニール袋はそのままにしておきます。

室内煙突の掃除の方法

図のように室内煙突がT字型になっている場合は、先端のフタをススがこぼれないようにそっと外し、室内から横方向、下方向にブラシを通します。壁から煙突がR状に本体へ接続されている場合には、煙突の重なった部分をスライドさせて外し、ブラシを外に向けて通します。

パターン3 煙導囲い

角トップ天板を外します。四隅を止めてあるナットをスパナで外し、天板を安全な場所まで下ろしてからススやクレオソートを落とします。

煙突掃除

露出煙突の作業と同様です。

角トップ内の掃除

煙突まわりについたススやクレオソートを落とします。煙突まわりのコーキングが剥がれたりヒビが入っていないか確認します。もし劣化していた場合は古いコーキングをカッターで取り去り、煙突のまわりに設置したストームカラーを10mmスパナかプラスドライバーを使って外します。中にもう一周コーキングが打ってあるのでそれもチェックします。ストームカラーを元の位置に戻し、コーキングを打ち直したら天板を戻し、ビスで固定します。

本体のメンテナンス

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